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寒山拾得さんのコメント: 点数順

★5万引き家族(2018/日)この人情劇は全て片山萌美の夢想ではなかったのか。娘を救えるのは万引き家族しかいないのかという悲鳴が聞こえる(含『少年』『誰も知らない』のネタバレ)。 [review][投票(10)]
★5スパイの妻(2020/日)なんと黒沢のカント主義宣言。高橋一生は9.5ミリ映画で世界を救わんとする(含『河内山宗俊』のネタバレ)。 [review][投票(7)]
★5晩春(1949/日)二人で観る能舞台の演目は「杜若恋の舞」、身分違いで結ばれなかった在原業平と恋人杜若に憑依された者の狂気の舞であるらしく、原節子の狂気を見事に具象化している。 [review][投票(7)]
★5百円の恋(2014/日)安藤サクラに惚れる二時間 [review][投票(7)]
★5僕はイエス様が嫌い(2019/日)挑発的なタイトル(と英題)を頭の片隅に置いて鑑賞することになり、結末は多義的な解釈が許容される。私は反転した敬虔な作品と受け取った。撮影は邦画近年の傑作。 [review][投票(6)]
★5疑惑(1982/日)外連味たっぷりの女の戦争の一方で仲谷昇他が競い合う男の情けなさもとても充実している。 [review][投票(6)]
★5二十四の瞳(1954/日)戦後版『陸軍』、創作童謡映画、贈与の映画、悪役の映画、ロングショットの傑作。 [review][投票(6)]
★5帰ってきたヒトラー(2015/独)ヒトラーを「魅力的」な人物と示して強烈。喜悦し寄ってくる庶民を捉えたセミドキュメンタリーに眩暈を覚える。パンフは読むべし。 [review][投票(6)]
★5人魚伝説(1984/日)優れた細部が映画を駆動させ続け、その度に映画が再発見されている。 [review][投票(6)]
★5フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017/米)ポップな意匠の数々は明らかにゴダールの影響下にあり、ウィンドウにナプキン叩きつけるブリア・ビネイトの不敵さもまたアンナ・カリーナの発展形。加える小娘の投入に確固たるオリジナリティがある。 [review][投票(5)]
★5乱れ雲(1967/日)司葉子の目力、眼差しの地獄、構図のせめぎ合い、森光子の奔放、加害者理解の理想、踏切のシグナル、南部牛追唄、ラホール、タケミツのニーノ・ロータ。 [review][投票(5)]
★5新学期 操行ゼロ(1933/仏)天へ飛翔する軽みの希求。チャップリンのように羽毛のように、屋根で踊る生徒のように。 [review][投票(5)]
★5希望のかなた(2017/フィンランド)あっけらかんとしたご都合主義は極点にまで彫琢され、寓話の外部にある現実の過酷さが行間から浮き彫りにされる。カウリスマキの物語話法の一大成果。 [review][投票(5)]
★5初恋のきた道(2000/中国)頑迷な老人はいったい何故にして頑迷なのかという市井の永遠の謎に、アイドル映画という奇矯な方法でもってひとつの説得的な解を提出した傑作 [review][投票(5)]
★5驟雨(1956/日)イジワル婆あちゃん水木洋子とヤルセナキオの絶妙な相性が産んだ傑作。紙風船は落下することなく浮遊し続け、ふたりの勝負は永遠に続くだろう。 [review][投票(5)]
★5パッチギ!(2004/日)加藤和彦の音楽監督による松山猛の伝記。語り継がれるべき文化史を井筒はかつての大島のように、極彩色の演出で塗り潰したうえで、彼等を讃えている。 [review][投票(5)]
★5男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(1980/日)何故寅は結婚を躊躇し続けるかを巡る一編 [review][投票(5)]
★5怒りの日(1943/デンマーク)検閲通過の韜晦として史上屈指のダブル・ミーニング。凍りつくような沈黙が支配する、『奇跡』の前哨戦に相応しい傑作(含『尼僧ヨアンナ』のネタバレ)。 [review][投票(4)]
★5ノマドランド(2020/米)登場人物たちが垣間見せる感情の襞は、施設を拒み路上に留まる本邦ホームレスの矜持とさほど違うまい、という手触りが残る。マクドーマンドは『裁かるるジャンヌ』のマリア・ファルコネッティを想起させる。★6級。 [review][投票(4)]
★5主戦場(2018/米)本作のロングランは、偏向著しいテレビが与えてくれなくなった情報に庶民がどれほど飢えているかの端的な証明であり、本邦映像史に残る事件になるだろう。パンフは発言録付でお買い得。 [review][投票(4)]