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寒山拾得さんのコメント: 点数順

★4青春の蹉跌(1974/日)突然の芹明香の瞬発力が素晴らしい。本邦70年代のラリったフーテンを記録して永遠の価値があるだろう。道端で初対面の者の足に抱きついて「なあ、お金ちょうだい。100円でええからあ。くれる云うたやんかあ」1点加点。 [review][投票]
★4女優(1956/日)残菊物語』で有名な森赫子の伝記映画。前半はユルい出来で、ミゾグチの弟子によるご祝儀作かと思いきや [review][投票]
★4風櫃〈フンクイ〉の少年(1983/台湾)潰れた油虫と無限に同期し続けるニュウ・チャンザイ君。何ちゅう「傑作青春映画」であることか。 [review][投票]
★4婦系図(1934/日)寅さんも大好き「婦系図」、マキノ版も三隅版も秀作だがこの元祖映画もとてもいい。各シークエンスで舞台のように腰を落とす芳亭演出が上等。若き田中絹代の魅力に溢れている。 [review][投票]
★4俺もお前も(1946/日)私は本作のような屈託のないリベラルの肯定こそナルセ映画の本質だと思っている。挫折を描くのが上手過ぎたのは壮大な付録に過ぎないのではないか(含『生まれてはみたけれど』のネタバレ)。 [review][投票]
★4放浪記(1935/日)原作の破天荒からは遠いが小さいながらも纏まっており、佐藤慶にやたら似ている藤原釜足の純情が印象に残る。ナルセ版のホンは(菊田一夫の終盤を除いて)ほぼ本作のコピー。 [review][投票]
★4女囚と共に(1956/日)二桁もいる豪華主演級女優たちが田中澄江のフェミニズム主題に賛同しているのが伝わってくる良作。女卑代表俳優上田吉二郎が殊勝にしているのが可笑しい。一方、レズビアンの理解が欠落しているのは時代だが明らかな欠点。 [review][投票]
★4吹けよ春風(1953/日)高度成長前夜の楽天的な気分が詰まったオムニバス。引揚者の件だけは真剣であり、ここでクロサワは山村聰とともに、戦中派として中国へ謝罪したのだと受け取った。 [review][投票]
★4風流交番日記(1955/日)売春防止法施行前につき闇雲に捕まえる訳にもいかない街娼と警官との泥臭い関係がリアルで印象に残る。阿部寿美子がとてもいい。 [review][投票]
★4讃歌(1972/日)新藤映画の女人崇拝のひとつの極端。原作の魅力が独自の方法論で見事に映像化されており、身に迫るものがある。 [review][投票]
★4群衆(1941/米)唇の傍を絶妙に持ちあげる本作のバーバラ・スタンウィックでもって、ネジの外れた知的な饒舌で物語を転がすコメディエンヌ造形はすでに頂点にある。 [review][投票]
★4新諸国物語 笛吹童子 第二部 妖術の斗争(1954/日)妖怪映画になるこの第二部だけ、作劇の腰が据わりにわかに面白くなる。愉し気に馬鹿演っている千石規子が素晴らしく、唐笠小僧が凄すぎる。 [review][投票]
★4暴れん坊街道(1957/日)千恵蔵二世の暴れん坊植木基晴堂々の主演映画。佐野周二千原しのぶに植木が絡む前半がホノボノしていてとてもいい。 [review][投票]
★4妖刀物語 花の吉原千人斬り(1960/日)ひとつの極端な忠臣蔵であり、すでに任侠映画をも突き抜けているが、これら集団劇と比べるに千恵蔵は余りにも孤独だ。川遊びの件の撮影美術は邦画史上屈指と思われる。 [review][投票]
★4救いの接吻(1989/仏)自分自身の映画の役をアネモーヌから取り返すブリジット・シイ。この初期設定がとてもいい。例えば小説ならこんなことはできない訳だ。 [review][投票]
★4ギターはもう聞こえない(1991/仏)愛だの記憶だのおフランスな男女の会話ばかりが延々繰り返されるだけの映画で極北感果てしなく、これより先はデレク・ジャーマンしか残っていないだろう、参ったとしか云いようがない。[投票]
★4次郎物語(1941/日)話は定番を出ないがキャメラがとてもいい。絵心に溢れときに意欲的でミゾグチを彷彿とさせる。 [review][投票]
★4をぢさん(1943/日)翼賛町内会で無私の精神を発揮する河村黎吉を小馬鹿にする処に池田忠雄の節操を感じる。喜劇としては弱い。 [review][投票]
★4ロビンソン漂流記(1952/米=メキシコ)ブニュエル史上突出して爽やかな作品。「人食い人種」や主人と奴隷をあけすけに描くにあたって彼ほどの適任者が他にいるはずもなく。哀れなワンコは本当に殺しているのではなかろうか。[投票]
★4ヒット・パレード(1948/米)教授と美女』には及ばぬが本作も愉しい。ジャズ演奏がどれも辛口なのが大いなる美点であり、切り取った新聞記事を出鱈目に歌詞にするセッションが最高に可笑しい。 [review][投票]