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寒山拾得さんのコメント: 点数順

★3アスファルト・ジャングル(1950/米)ほとんど舞台劇。回想シーンすらなくもっぱら科白と俳優の魅力で勝負して重厚だが、身を乗り出させてくれるのはやはり、映画らしい終盤のジュークボックスと深夜の踏切の件。 [review][投票(2)]
★3くちづけ(1957/日)貧しくいたいけなデートがチェーホフ風で充実しており、バイクの行程など颯爽としていて素晴らしい。この序盤だけなら★5、しかし増村がこれだけで終わらせる訳もなく。 [review][投票(2)]
★3ハート・ロッカー(2008/米)ケン・ローチの下ではあんなに生々しかったキャメラがチャラけたシニカル系エンタメに変貌するのは、監督が自覚なしに戦争を愉しんでいるからではないかと疑う。美点は断片的たらざるを得ないイラク人たちの描写。最悪の接触の記録集になっている。 [review][投票(2)]
★3若草の頃(1944/米)戦中とは信じられない撮影技術と、達者なマーガレット・オブライエンに驚く映画。話は平凡。 [review][投票(2)]
★3君よ憤怒の河を渉れ(1976/日)中野良子が馬に乗って現れるたびに、バカバカしくもロマンチックな大映調が炸裂する。おおらかな気持ちで愉しみたいオーケン好みのトンデモ作。 [review][投票(2)]
★3悪魔の手毬唄(1977/日)石坂浩二が蜜柑を前に考える件、写真のコマ送りみたいなコン・ショットでバシバシ決める。あの辺りの痛快さはたまらなくいい。 [review][投票(2)]
★3無理心中 日本の夏(1967/日)若松ポルノへの回答か。点景描写はハマっているが佐藤慶を日本版キリーロフにするには膨らみがない。しかし最大の欠陥は女優の選択で桃井かおりがあそこにいたら秀作になっただろう。当時の日本映画の限界。 [review][投票(2)]
★3アパッチ(1954/米)引きの構図も横移動も鮮やかで、湖畔におけるふたりの肉弾戦やモロコシ畑の描写にアンゲロプロスを予告する瞬間まである。物語は無残。 [review][投票(2)]
★3危いことなら銭になる(1962/日)無責任シリーズへの対抗企画だったのだろうが、カットを割るのも面倒なのかと疑わせる鈍重な演出が蔓延、愉しませてくれない凡作。下膨れの浅丘ルリ子の熱演のみ価値があり、不思議と彼女のギャグだけ面白い。交番前の駐車とか。[投票(2)]
★3白ゆき姫殺人事件(2014/日)冒頭、森の中に死体が転がっていたら『ハリーの災難』だが、作者の頭にはなかったのたろうか。序盤の皮肉な軽みで一貫していれば、平成版ハリーになり得たと思うんだけど。 [review][投票(2)]
★3男はつらいよ 寅次郎春の夢(1979/日)マイケル(ハーブ・エデルマン)にBOSSの宇宙人(トミー・リー・ジョーンズ)がWって困った。 [review][投票(2)]
★3HANA-BI(1997/日)タイトルは「愛と死を見つめて」でもよかったなという感想。久石譲の音楽が軟弱な二人だけの世界にズブズブに嵌っている。喋らない岸本加世子はいい。『狂犬三兄弟』の渚まゆみを反転させた造形だろう。 [review][投票(2)]
★3歩いても 歩いても(2007/日)川端賞狙いの私小説といった趣。巧みな小ネタをいかに積み重ねるかに腐心する姿勢ばかりが目に付く。 [review][投票(2)]
★3汚れなき悪戯(1955/スペイン)キリスト教の厭世観を示して露骨、慄然とせざるを得ない。 [review][投票(2)]
★3宇能鴻一郎の濡れて打つ(1984/日)そこまでやるかと呆れながら観る艶笑譚。お嬢様学園にはあり得ないテニスコートの貧乏臭さが印象的。『桐島』の映画部員は報道部の玉本くんの息子なのだろう。[投票(2)]
★3普通の人々(1980/米)リストカットをすでに扱っているのだった。ウェルメイドから一歩踏み込んだ脚本が興味深い。最初からTVドラマ仕様と諦めて観れば、水槽の淵がみえそうなボートの撮影も笑って許せる。予算がなかったのだろう。 [review][投票(2)]
★3暗殺の森(1970/伊=仏=独)鳥の鳴き真似、極端な構図など、冗談一歩手前のフェリーニ色が強い。ルネ・クレールを想わせるダンスホールの件がいい。共産党員モラヴィアの物語(花売りはインターナショナルを歌う)を、映画は耽美のネタとしか捉えておらず、生温さを感じる。[投票(2)]
★3半世界(2019/日)演出も編集も流暢だから観ているうちは退屈しないが、話があんまりにも平凡。この監督は腰砕けの作劇を志しているのだとの確信に至った。すでに池脇千鶴しか覚えていない。東山千栄子化が進行していて頼もしい。飄々と達観した喋り方まで似てきた。[投票(1)]
★3風、スローダウン(1991/日)殆ど監修井筒の作品なんだろう。快活な演出で平凡そうな五十嵐いづみが光り輝いており、らしい小ネタてんこ盛りが愉しい。ただ、収束は辛気臭すぎた。延々流れる♪大人に変わる季節がある なる演歌だけでも今から除去すべきと思われる。あと、タイトルも替えてほしい。[投票(1)]
★3DEAD OR ALIVE・犯罪者(1999/日)中国残留孤児の息子が助手するマルクス哲学の授業はガラガラという辺りの諦念に時代が掴まれているとは思うのだが、相変わらず人物像を深掘りする気のない素っ気なさがどうにも喰い足りない。有名なクライマックスは『太陽を盗んだ男』の拡大版の趣。[投票(1)]