寒山拾得さんのコメント: 点数順
兄とその妹(1939/日) | 主人公の自覚せぬ不安の描写の巧みさ。収束は2点減点。 [review] | [投票(1)] | |
オールド・ボーイ(2003/韓国) | 立小便とか突然の色恋とか餃子とか横移動の喧嘩とか、ギャグ映画として観る分には面白かったのだが後半退屈。ユ・ジテの造形ほか後出しのネタが多くてそれは困りましたねという感想しか出てこないし、軽妙な演出も軽薄に見え始めた。 | [投票(1)] | |
こころ(1955/日) | 猪俣勝人ってこの程度なのか。キャストや美術は良いのだがホンに意欲が感じられず、文学は映画にならないというヒッチコックの名言の傍証に留まっている。これなら断然和田夏十に書かせるべきだった。 [review] | [投票(1)] | |
偽大学生(1960/日) | ジェリー藤尾を主演にして袋叩きにして、娯楽大作にはなったが、失うものも多かっただろう。 [review] | [投票(1)] | |
家族はつらいよ(2016/日) | 引用される傑作群に比べればどうしようもなく薄味だが、目指されたのがタイトルバックの回顧趣味に見合った気持ちの良い軽喜劇なのだとすれば、これはこれでいいのだろう。 [review] | [投票(1)] | |
おとうと(2009/日) | 漱石「道草」系の迷惑話で通すか、矜持ある寅さんの後日談にするか、笑福亭鶴瓶の造形はいずれにも振れず中途半端で印象に欠ける。いっそ民間ホスピスの話にしたほうが興味深かったろうに。プロポーズの件と池乃めだかの大家は好き。 | [投票(1)] | |
風と共に散る(1956/米) | 冒頭と酒場のアクションは生気溢れるがその他は平凡なハーレクイン・ロマンス。サークの傑作とは思われず。没個性な三人との比較でドロシー・マローンが輝いている。アカデミーも納得の悪女振り。 [review] | [投票(1)] | |
グレン・ミラー物語(1954/米) | ムーンライト・セレナーデのダンス・バージョンが抜群にいい。これをばっさり否定する処がジャズを限りなくイージー・リスニングに近づけたグレン・ミラーの面目躍如、丁寧に記録されている。趣味じゃないけど。ジューン・アリスン魅力的。 [review] | [投票(1)] | |
キツツキと雨(2011/日) | 『アメリカの夜』から三十余年、深夜の駅舎の件辺りで、ついに映画愛を自己否定するパンキッシュな映画が生まれたのかと猛烈に期待したのだが。 [review] | [投票(1)] | |
ピアニストを撃て(1960/仏) | 途中でメロウになるハチャメチャとは何とも古色蒼然。いいのは道路を横切る人や車のスピード感、胸を出す娼婦、マリー・デュボワの可愛さと「私は貧乏育ちだから挫けない」、雪の銃撃戦。 | [投票(1)] | |
戦火の馬(2011/米) | アフラックな家鴨も馬もどこからがCGなのか判別がつかず、この技術が報道で政治利用されたら恐ろしいなと思う。動物映画がサーカスの延長だった時代は終わっている。『ハタリ!』をリメイクしてもハラハラ感など皆無だろう。 [review] | [投票(1)] | |
フランシス・ハ(2012/米) | グレタ・ガーウィグの好感度で全部許してしまうのも含めて、80年代角川映画の空疎な女子成長ものに似ている。瀟洒なタッチは魅力的だが、21世紀にヌーヴェルヴァーグは温くなると誰が予想しただろう。 [review] | [投票(1)] | |
さようなら(2015/日) | 人がいなくなって残る記憶の何が美しいか。 [review] | [投票(1)] | |
ハナ子さん(1943/日) | アカルサハ、ホロビノ姿デアラウカ。 [review] | [投票(1)] | |
下町の太陽(1963/日) | 倍賞千恵子と待田京介のピンポンを延々と切り返しで撮る件など山田洋次らしからぬ斬新なアクション。初期にはこんな可能性もあったのだ、なぜ切り捨てたのだろう。 [review] | [投票(1)] | |
独立愚連隊(1959/日) | 『人間の条件』の軟派版とはあらまほしき作品なのだが不満。全員が躁状態で踊り出さんばかりの喜劇演出が、テーマをヒステリックに叫ぶのを厭うばかりの照れ隠しに見え、この含羞を観る映画かとも思うが好まない。意外な中北千枝子がいい。 | [投票(1)] | |
悪い奴ほどよく眠る(1960/日) | 浮ついた調子が、公団職員の連中もまた被害者でもあるという認識を欠いたがゆえの浅墓さに見えてしまう。 [review] | [投票(1)] | |
ニワトリはハダシだ(2003/日) | 前半はとても充実していて、田舎のどうでもよいような風景を情感豊かに描いて感服させられるし肘井美佳がいい。後半はしかし詰め込み過ぎの極地。数本に分けて語る経済的余裕がなかったのだろうか。 | [投票(1)] | |
嗤う分身(2013/英) | 時代背景を明示せず失敗。旧社会主義国家らしきIDカードや自殺など意味不明なのに思わせぶりでナンセンスにもならない。シュールな嗤い満載の原作(もちろん矛先は帝政ロシア)に遠く及ばず。ウェルズ『審判』・ギリアム『未来世紀』系列の画は面白いが。 | [投票(1)] | |
赤西蠣太(1936/日) | 按摩のアンコウの件は面白いが、総じてよくあるユーモア映画の失敗作のように移り気で散漫、千恵蔵の造形も魅力が薄い。洒脱なハリウッド文法輸入の歴史的価値を除けば、いま読んでも新しい原作と比較にならない。志賀直哉は喜んだらしいが。 | [投票(1)] |