コメンテータ
ランキング
HELP

寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★3戦雲(1959/米)シナトラマックィーンが日本軍やっつけるだけの映画と思いきや、中国国民党政府の裏話になりやたら盛り上がるが本当だろうか。ジーナ・ロロブリジーダは『サンセット大通り』のグロリア・スワンソンそっくりで、邦題は明らかに商売する気がない。 [review][投票]
★3深く静かに潜航せよ(1958/米)エイハブ船長タイプのクラーク・ゲーブルがもっとやらかしてくれると盛り上がったのだが(原作はやらかすらしい)温い。日本海域に米潜水艦が出没という前提はそもそも本当なのだろうか、という疑問ばかりが残る。東京ローズ付き。 [review][投票]
★2北京の55日(1963/米)いわゆる義和団の乱を平定する帝国主義列強の友情を描き、被害者面する加害者の詭弁という気分が蔓延する過去の遺物。この年代までこんなもの撮られていたんだねという点でベトナム戦争による価値転覆の大きさを裏側から証明しており、時代のサンプルとして価値高かろう。 [review][投票]
★3父親たちの星条旗(2006/米)本邦の爆弾三勇士もかくやと思わされる虚飾の英雄の主題は『大理石の男』を想起させるが、比べるに戦時国債も必要だよねという処で切り込みは甘くなり、戦後に戦友救えないのも友情物語としては半端に留まる。 [review][投票]
★3硫黄島からの手紙(2006/米)50年代の本邦戦争映画のノリがあり、21世紀のウヨった邦画よりずっと真っ当だが、本作自体がアメリカ帰りの主演ふたりによる現行日米同盟深化のための儀式のようにも見える。通念と違う、玉砕したがる海軍と否定する陸軍という対立が目を引く。 [review][投票]
★3マダムと女房(1931/日)他愛ない喜劇から浮かび上がるのは金襴緞子を否定してエロ100%のジャズに至る享楽の誘惑 [review][投票]
★2赤道越えて(1936/日)「国威発揚と国際親善目的」の練習艦隊太平洋漫遊記。風物は面白いが、英米とエール交換の一方、日蘭会商中のオランダをディスりまくるのが子供みたいで、恥ずかしいような出来。とってつけたようなプロパガンダも貧しい。アニメはあるが特撮はない。 [review][投票]
★3美はしき出発(1939/日)母の曲』よりさらに拡大されたヤマサツ流ブルジョアいびりの初期仕様だが、戦中には「贅沢は敵だ」の要請と合致もしたのだろう。原節子肉付け不足の欠点は明らかだが中編だからしゃあないのか。見処は凸ちゃんのスケートと水町庸子の暢気な母さん。 [review][投票]
★5巷に雨の降るごとく(1941/日)知る限りヤマカジ最高傑作。エノケンの無抵抗主義でもって戦時下で何かを語ろうとしていただろう。当時の下町の琴線に触れ続ける描写がとてもいい。タイトルのヴェルレーヌは流しの月田一郎が曲をつけて演奏している。 [review][投票]
★2続南の風(1942/日)ハリウッドの日本人差別ネタを輸入してカンボジア人差別に充てた演出でノートリアスな喜劇。日本人も返す刀で斬られているが間違いなく顰蹙もの。戦後もバラエティ番組で幾らでも観られた本邦差別ネタの元祖なのだろう。 [review][投票]
★2海軍(1943/日)戦後の村山作品とまるで違う純情好戦映画で、改訂箇所を見比べるととても興味深い。本作は青山和子が活躍しないのが退屈。ぶった切られた終わり方はハプニングの余韻がある。 [review][投票]
★2雷撃隊出動(1944/日)劣勢描写はよく検閲通したなと思わせる特攻映画。嘉次郎らしいユーモアが戻っているのだが、ユーモラスに酒呑んで汁粉喰ってトランプするのは上官だけ。二等兵はおこぼれに預かりたかっただろうなあと思う。 [review][投票]
★2野戦軍楽隊(1944/日)「強いばかりが軍人じゃないぞ。これが音楽の力だ」なんていい台詞が「原住人への宣撫教育」に繋げられる松竹三羽烏の喜劇。唱和する中国人たちの空々しさがなかなかのもので、笑顔満載のミュージカル仕立てってプロパガンダ向きだと納得させられる。 [review][投票]
★1不沈艦撃沈(1944/日)工場増産に係る典型的プロパガンダ映画で、余りにも見事なマキノ演出、終盤の狂騒的な群集劇は圧倒的で、技法は頂点を迎えている。才能の無駄使いとしか云いようがない。謹んで1点減点。表層批評ってのはこういうのも評価するのだろうか。 [review][投票]
★4青い山脈・続青い山脈(1949/日)山とある石坂洋次郎映画のなかでもやはり本作は一頭地抜けている。池辺が月眺めて、原始人の感覚が甦る、これを許してはいけないと語り合う件がとても印象的。性欲を理性的にコントロールし続ける石坂的青春群像の根本思想なのだろう。 [review][投票]
★2性と幸福(1950/日)受胎調節と人工授精を人民に啓蒙する理研映画。ゴムスポンジ避妊具の膣挿入の説明などは必要なものなのだろうが、挟まれる寸劇が奇怪過ぎてぶっ飛ばされる。否応なく記憶に刻まれる怪作、正真正銘のトンデモ映画だ。 [review][投票]
★4山びこ学校(1952/日)当時の山形の寒村の厳しい生活がまことに厳しく描写され、木村功の素敵な先生の活躍の傍らに、地方で角栄みたいな政治家が力を持つ必然性みたいなものまでが浮上してくる。リアリズム映画の力であろう。教室が凍りつくトンコトンコ節の件が白眉。 [review][投票]
★4広場の孤独(1953/日)猪俣勝人の中道保守的な改編は堀田善衛の原作を温くするばかりだが、戦争利権屋の本筋はともかく、背景のスターリン死去にかかる実録がスリリングで見応えがある。 [review][投票]
★3恋文(1953/日)夜の女たち』『女囚と共に』『女ばかりの夜』らがパンパンを正面から描いた秀作だったのだから、オンリーは許されるがパンパンは許されないという道徳を久我中北でもって展開する本作は不思議に思われる。 [review][投票]
★2青色革命(1953/日)刺戟的なタイトルに何が出てくるか期待されたが鼠一匹、逆コースも共産党も嫌悪する者たちに残された現状肯定に何のシニックもないのは、そんなんでいいのかと思わされる。千田是也の肩にかぶりつく木暮実千代などコメディは好調だが善悪明快な物語世界で印象薄くなった。 [review][投票]