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[コメント] 極楽島物語(1957/日)

兵隊さんは食いものの話ばかりしている。人間を豚と間違えて襲いかかり、月は大福もちに見立てられ、宮城まり子のり平有島喜頓をバックに焼き鳥の歌を唄う。「戦争さえなければどこでも極楽島」。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







兵隊が南方の島で先住民たちと唄い踊りたらふく喰べる極楽島の物語。餓死多数と云われる日本兵の願いを覗き見るようで、神妙にさせられるものがある。映画の後半は全部、空腹がゆえの幻覚という含みがあるだろう。調査して一旦は無人島と確認された島から先住民がぞろぞろ出てくるはずがない。

終盤を持って行くパロマ草笛、性格俳優だと思っていたらSKD出身なんですね。歌やダンスは始めて観た。雪村いづみより人気があったのだろうか。後半は彼女のロマンスと悲恋になり、そっちに行くんですかの脱線感が残るが、これも兵隊たちの幻覚だと思えば得心がゆく(また、そう思わないと納得できない)。「戦争さえなければ」もっと別の関係もあった。これは後悔の物語なんだろう。

火山は真っ赤で色調整物凄く、ひとつ見物だった。ベストショットは磔場の安い模型で、シリアスな後半にいきなりコメディに戻って素晴らしく、一番笑えた。沈没前、従軍看護婦のユニフォームをカラーではじめて見た。

(評価:★3)

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