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[コメント] とむらい師たち(1968/日)

水子供養商法の記録。ラストは大映帝國終焉近しの感慨。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







本作の見処は水子供養商法の記録だろう。Wikiによれば流行は1970年代かららしいから野坂原作は先行している。巨大な地蔵からとヘリからとの目線の交換が本作のクライマックス。ここはさすが宮川という撮影。

「1970年代頃から水子供養の習慣が広まっていき、占い師などが水子の祟りを語って水子供養を売り物にしていった。その背景には、檀家制度が破綻し経営が苦しくなった多くの寺院が経済的利益のために大手墓石業者とタイアップし水子供養を大々的に宣伝し始めたことが大きく影響している」(Wikiより)

他はつまらない。三隅は器用にこなしているが、藤本義一のホンはダサいレベル。勝新が全ての亡骸のデスマスクを取ろうとするのは、巧い説明もなく無理矢理気味(同じ大映の増村『盲獣』(69)に先行する美術という発見はある)。藤村有弘のジャッカン連発が面白いがそのくらい。遠藤辰雄財津一郎がもう少し盛り上がればいいんだけど。

ラストはスッポ抜けている。異常な収束でもって語られる作品だが、私には膝カックンの手抜きにしか見えない。大映帝國の終焉近しの感慨ならある。

(評価:★2)

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