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[コメント] 男ありて(1955/日)

専門馬鹿を温かくからかって愉しい人情喜劇。出演者はみんないいけど、少女歌劇観てお好み焼き喰って喜ぶ夏川静江さんが特に心に残る。当時の主婦はこんなだったんだろう。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この母親を死なせてしまう終盤は(前振りはあったにせよ)ちょっとやり過ぎの気がするし、坊さんに念仏切り上げるよう催促するのもやり過ぎと思う。志村喬の墓前の男泣きはいいものだったが、こういうのが家族の幸せでいいのかな、とは疑問に思った。亡くなる前に何とかしないといけない。しかしこの感想も映画の成果なんだろう。

岡田茉莉子安定のコメディで、鼻の穴開いた弟の伊東隆がまたいい。「恥かきっ子は出来が悪い」というのは、私もそうだから心に染みた。この子にバッドで殴られて家から逃走する志村というのがいいギャグだった。

玉井キャメラはテレビ中継とは違うアングルで(グラウンドに据えられるのだから当たり前か)野球を捉えていてとても愉しい。ホームスチールの長回しが最高で、志村監督退場の乱闘も素晴らしい。洗濯台の映画としても素晴らしいもので、岡田が隣のドラム缶の水道タンク直しているショットがいい。風俗描写としても貴重ではないだろうか。「待っているうちに焼けるから便利になった」と云われる火葬場については、それ以前はどうだったのだろう。

霊柩車見たら「もらった」と悦ぶジンクス、という話はプロ野球ネタで聞いたことがある。有名な話なのか、それとも本作の伝聞だったのかも知れない。タイトルに中日ドラゴンズ・ダイヤモンズとあり、やたら上手いプレーはプロが演じている。選手ではガス人間土屋も登場して竹中直人のように目立っている。リズの『花嫁の父』がデートで鑑賞される。二度登場する、遠くに電車の見える広い空き地がいいロケ。どこだろう。ビルが少なかった東京郊外。

(評価:★4)

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