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[コメント] 学校(1993/日)

西田敏行の造形が類型的でこの先生の魅力がもうひとつ伝わってこないのが残念。竹下景子が中国人生徒を説得できず泣きだす件がいい。彼女主演だったら良かったのに。
寒山

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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山田洋次は夜間中学を『寅次郎かもめ歌』で既に扱っており、教師の松村達雄の便所掃除の詩の講義が大好きだった。本作にもそういう授業を期待したが違っていた。西田敏行の生徒に喋らせるスタンスの授業は好ましいのかも知れないが、このホームルーム、いくらなんでも空振りだろう。いいクラスなのは判る。あんな少人数教育の、いろんな経験をした人が集う場所なら、私だって入りたい。実際はもっと無茶なことする生徒とかいるんだろうが、それも面白そうだ(修了者は対象外らしい)。しかし、致命的なことに、あのクラスを作り上げた西田先生の魅力なり統率力なりが、もうひとつ伝わってこない。苦労したのは判るが、痒い処への突っ込みが足りない。そこに何か光るものがあったら印象は違っていただろう。原案者がタイトルに名前を連ねる映画の限界ではなかっただろうか。

中学も今やフリースクール全盛だ。高校の話だが、私の母校は近年は途中退学者が毎年ひとクラスほどいるらしい。学校に合わなければ検定試験、という時代なのだ。私らの時代とは隔世の感があるが、選択肢が増えるのは基本いいことだろう。「学校」を神聖化する必要はない。しかし「夜間学校」はこれも選択肢のひとつなのだから支援されるべきだ。夜間中学公立35校、自主運営10校と最後にテロップが入る。調べたら2016年現在、公立は3校減っているが、自主運営は30校以上に増えている。このシリーズの影響もあるのであれば、よいことだと思う。だから本作、タイトルは『学校』ではなく単に『夜間中学』とするべきだと提案したい。もう遅いが。

お約束キャラ神戸浩だけ回想がないのは、何となく納得させられた。あの馬鹿キャラは山田作品にとって天使なのだから、肉付けは不要なのだろう。萩原聖人も山田好みの青年で感じよく(最後の授業以外)、4人で海に行く件はちょっと美しい。新屋英子田中邦衛も好演。田中主演ではいけなかったのだろうか。

(評価:★3)

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