[コメント] はだしのゲン 涙の爆発(1977/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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シリーズものなのに配役総入れ替え(第3作も。回想の長女と次男は同じ)というのは珍しかろう。時間的には前作の続き。引き続き物乞いと盗みに精出すゲンは商売もはじめる受難。
最初の死んだ子供を焼くシーンは、キャンプファイヤーが組んであるのがいけない。物乞いの狂言で妹殴る兄の件は印象的。お母さん役の宮城まり子は最後の劇映画。前作の左幸子が敗戦で痩せたような具合。浮浪児集団の母親になるラストはこの方らしい。
どんな不幸も「ピカさえなかったら」で全部纏める手際はいい告発。もちろん主題は云わないのが基本テクだが、子供向けだからこれでいいのだろう。被爆者は嫌われていたことを残酷に記録しており、ゲンは髪の毛抜けて禿を笑われている。クライマックスの半裸になった被爆者石橋正次の町内行進はタブーを引きはがす迫力があった。アングラ前衛劇との類縁性を感じさせられる。
三戸部スエの憎たらしいお婆さんと、憎たらしい孫ふたりが素晴らしい。藤原釜足は船頭役。替え歌の記録は引き続き貴重かも。最後は「第二部 終」。
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