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[コメント] 三代目襲名(1974/日)

ヤクザと警察との癒着を記録した重要作。健さん相手に凄む川谷拓三が抜群に素晴らしい。
寒山

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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いやこれは凄い話で、まず「三国人連盟」なる裏敗戦史が記録されているのが猛烈である。ネット右翼の面々など大喜びしそうだ。この「アサヒ芸能」好みの実録がどこまで本当なのか眉唾であるが、無茶苦茶された在日朝鮮人の一部がこの程度の叛乱を起こしても私などある意味当然と思うし、もっと取り上げられるべき史実だろう。高田先生が健さんの「ニッポン人と朝鮮人とどこが違うんや」と田中邦衛の遺言でバランスを取っているのは良識を感じる。

しかし本作が描きたかったのは湊川署襲撃防衛であり、利用するときだけしやがってという警察への恨み節だろう(同時期のわいせつを巡る日活の警察抗議と歩みが一致しているのが面白い)。「三国人連盟」はその前振りに過ぎないと見える。頭山満を尊敬し自警団を組織する三代目の行動は、右翼から総会屋まで共通した、権力者に癒着するゴロツキの典型例で、何の美しさもない。ただ、ある状況下では権力はゴロツキを必要とするという具体例の生々しい記録として観れば、本作は力があるし、ヤクザ映画だけができる告発がある。

映画は「仁義」シリーズの模写に過ぎないが充実しているのも確かで、スタッフ堅牢の証明でもあるだろう。

(評価:★4)

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