コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 札幌オリンピック(1972/日)

本作には美点がふたつ。アイヌ民族音楽の挿入が立派なこと(オリンピックを少数民族確認の場とする先駆か)と、ジャネット・リンのスケートに白鳥のシルエットを重ねるショットが(凄いベタだが)とても美しいこと。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







その他、何でも記録してやろうのスタンスは思いつきの空振りが多い。最初から京都の大晦日の鐘突きが出てきた時点でだいたい想像がつくというものだが。岸田今日子の朗読する詩はオリンピックを原始の記憶に還そうとするが退屈。ハイジャンプはメダル独占でなくその後の敗退を映画のクライマックス(『東京オリンピック』の女子バレーにあたる)に持ってくるスタンスは個人的には立派と思うが、祝祭的なテーマとは不釣り合いになってしまった。

当時はアイスホッケーの決勝でオリンピッ クは終わりではなかったのか。まだ続くのには弱った。だって長いんだもの。同じ競技を間をおいてくり返すと、観客は飽きる、という効果も発見される。競技ではやたら愛想のいいリンちゃん(尻餅がキュートだ)以外で印象的なのは、大回転で優勝かっさらう太った娘さんが猛吹雪のなかガンガン滑る姿。こういう断片はいいものがある。ソ連のアイスホッケー応援しまくるご婦人とか。

ロシア帽被った昭和天皇は驚愕。邦画に登場する稀な例だろう(滅多に顔など映されないのだ)。北朝鮮と韓国の旗が対抗するように客席で振られるのも時代。バラリンピックはまだなかったのね。

なお、私は、気がついたらリュージュに乗ってトップスピード、という悪夢をたまに見る。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。