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[コメント] 横堀川(1966/日)

連ドラダイジェストのつまみ食い感は拭えないにしても上手く纏まっており、最後には流転の半生のささやかな詠嘆が残る。若き松鶴師匠が貴重、美術は豪勢。
寒山

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ボロ小屋をみつけ、繁盛させ、そこで客と一緒に乱舞するまでの話(厳密には違う小屋だが)な訳で、演芸場という場所を視覚的に特定させた処に映画的な感慨がある。冒頭のあの女学生がこんなに、という感慨がストレートに描かれている。多分連ドラは生涯を追いかけたのだろうが、この素敵な踊りのシーンで終わらせるのがいい。教条的な川島の『暖簾』より好む(『花のれん』は未見)。

吉本興業の創始者吉本せいの伝記。安来節を関西に持ち込んだのも史実とのこと。太鼓を愉し気に叩くばかりの中村扇雀も味だが、これに適当な距離感を置く倍賞千恵子も味がある。「何事堪忍」の遺訓を守り通したということだろうが、こういう人生を歩む職業婦人って多いのだろう、ひとつの典型を示している。意味深なのはお梅がレズビアン的な描き方をされている処。ここは断片だからこそいい意味での違和感が残る。

連続ドラマは山口崇が主演な訳だが、どうせなら彼のパートを全部切ってしまった方が映画としては良かっただろう。ただ、連ドラも映画も観たい人にはそれでは不満だろうから、仕方のない妥協だったのだろう。最大の不満は香山美子をまともに捉えたショットのないこと。素麺喰らう亀も見たかった。

(評価:★4)

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