[コメント] 暖流(1957/日)
他人の不幸は蜜の味の増村=白坂作品で、狂った人間しか登場しない。当然のように。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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会社整理で経営者も労働者もぶった斬り、収束で根上淳と左幸子を急ブレーキかけて救済しようとするのだが、すでに横転していた、の印象。昔の吉村作でも佐分利信は相当に嫌味な人物でテイストは似ている。看護服の左と黒いドレスの野添ひとみが並んで歩くショットは、前作の水戸光子と高峰三枝子を白黒で対照したショットを踏襲しているはず。
砂浜で雑草齧る根上、最初から目が点の左、口ひげと胸に赤いバラの船越英二、皮肉とばしながらピアノに腰かける野添。マスムラらしい漫画のようなキャラが並び、さらに印象に残るのは船越とシャンソンをデュエットする母親村田知栄子の優柔不断を極めた造形と、真面になればなるほど狂っている野添のフィアンセの品川隆二。
品川のプロポーズに野添「貴方の難しい話を聞いていたら急にマンガが見たくなりました。失礼ですわね私って」品川「僕もマンガは大好きですよ。ポパイなんか何とも言えませんからね」。でふたりしてテレビでトムとジェリーみたいなアニメを鑑賞。こういうシニックを書かせたら白坂は一流だ。あと看護婦長の村田扶実子もいいキャラだった。
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