コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 運命じゃない人(2004/日)

神経症的な脈絡合わせに興趣はなく、その他はバラエティの寸劇ドラマ程度。恥ずかしいのが音楽、外走る度にギターがギューンみたいなノリは80年代回顧趣味なのだろうか。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







話はマイペースな中村靖日だけが何も知りませんでしたが全部丸く収まりましたという定番古典落語。ニセ札を巡るドタバタもこの類型に含まれる。登場人物全員が軽いのも喜劇ベースが徹底されているからで別にいいんだけど、全部丸く収まり過ぎてそれをはみ出す感情の振幅というものがないのが詰まらない。突然にベタになり虚構の世界観が崩される瞬間こそが喜劇では肝心だろう。霧島れいかの偽札盗難は予定調和を破るクライマックスを予感させたが残念ながら何も出てこず、小市民賛歌に終わる。返しに来ない、ぐらいの破綻があってもいいんじゃないのか。

レストランで霧島が大泣きする件で、店員が隣で異常に長い間コーヒーのお替りを注ぎ続ける。キャメラは厨房に立ち去る店員を遠景で追う。ああこれも前振りなんだろうなあと見ているとその後に何も繋がらなかった。あれは何だったのだろう。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』系の数珠繋ぎのなか、ここだけ欠落があるのでたいそう気になる。

本作の好感度は地味な俳優のセレクトに尽きる。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)DSCH

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。