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[コメント] 現代インチキ物語 騙し屋(1964/日)

物語を積極的に排して逸話の累積の強度で勝負しているんだが、総体何が目指されているのか私には読み取れず、口の巧い人は得ですねという胡乱な感想しか出てこなかった。
寒山

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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端々で総括される時代への皮肉(所得倍増計画とか)は場当たり的で浅く、才気走った処のある大衆小説という感想にとどまる。最後に、皆さん儲けてくださいよ、みたいな、裏面から見たしたたかな高度成長賛歌みたいな纏めになるのは、一連のブラック企業映画を反転させた具合だから、マスムラが云うなら判るという処はある。まあしかし、いま観ると贅沢な話である。

本作は俳優を愉しむ映画なんだろう。伊藤雄之助船越英二がコスプレして競い合うように泣いたり笑ったり怒ったりするのを観るのは、アクターズ・スタジオの実演鑑賞に近い驚きをもたらしてくれる。上手いものだ。当たり前だけど。曾我廼家明蝶の親分や上田吉二郎の骨董屋も実にいい味出している。美女の登場がないのも興業気にしない意欲作という好感度がある。

詐欺師稼業の陸続たる数珠繋ぎは面白かったり詰まらなかったりする。藤本義一のネタ帳開陳の趣。序盤は説明コミなので重ったるい演出だが途中から好調になる。エロ写真と偽って相撲取りの写真売りつけて開き直る件が客席に一番ウケていた。このギャグ、詳細は失念したがずいぶん昔に著名な四コマ漫画で見たことがあった(「私の恥ずかしい写真」というタイトルだった)。年代から推し量れば漫画は本作のパクリだったに違いない。

(評価:★3)

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