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[コメント] ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない(2009/日)

まるでサキの短編のようなブラック
寒山

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







エンドロールの後、何の仕事をしているのかさっぱり判らなかった社長の森本レオが登場し、新入社員採用面接の場面になる。社長は泣いている面接者に彼一流の人情家らしい優しさで「採用しよう。ご両親に報告しなさい」と告げる。冒頭の小池徹平と同じパターンが繰り返される。そしてひとりになると、申請書類をぞんざいに机に放り投げ、一言「ソルジャー、ゲェット」。

これは、凄いのではないか。本編で積み上げてきた、社員同士が心でつながれれば「限界」を「頑張れる」に変えることができる、という向上心賛美を、人情家の仮面を被ったこの社長は手玉に取っているのだと暴露している。振り返ればリーダーの品川祐の無茶も、新人の田中圭の暴走もこの社長は黙認し続けている。収まる処に収まるとこの社長は熟知しているのだ。ニートかブラックかの二択しかない小池には、労働三法など視野の外だとも知っている。本編は森本という悪魔が描いたシナリオ通りなのだ。何たるブラック。このオチは、まるでサキの短編のような切れ味がある。

(評価:★4)

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