前半のブルジョア話は後半との落差を示すためなのか、うまく嵌っていないように思う。ピノジュのヌードダンスなど別に見たくない。一階が非難所状態というのはどういうイロニーだったのだろう。

後半のガザ地区潜入はいい。出て行けとフェンス越しにアジるアラブ人たち（パレスチナ人は登場しないのか）。警官隊もしたくない仕事しているのが義弟のリロン・レヴォで強調されるが、公安なんて鬼畜と思っている者としては生温いようにも思う。抵抗するユダヤ教徒たちが歌う歌がとても美しい。「正確な人種って何？」という冒頭のパレスチナ人でオランダ人の女性の科白が効いて来る。