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[コメント] 四十九日のレシピ(2013/日)

ホームドラマ丸出しの善意満載によるぎこちない感動のダンダラ模様。映画はここまで辛気臭くていいものなのだろうか。
寒山

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







興味深いのは互助施設の在り様なのだが上っ面に留まり、セックス依存症やらブラジル三世の多様性はマンガ的な賑やかしのレベルで何も穿っていない。そしてその底辺にあるのは、家族で川に向かって手を合わせる極めて奇怪な新興宗教(山ならよくあるが、川ははじめて見た)な訳で、これは何なんだろう、本邦2010年代の地方都市はこのように再生するとでも云いたいのだろうか。気持ち悪くて近寄る気がしない。

不倫相手のメロドラマ系酷い女の造形は実に一方的で、死んだ母親への無制限の追慕と好対照を見せる。こういう通俗かつ辛気臭い作劇は三流としか思えない。演出も、動物園で新しいお母さんが作った弁当を娘がひっくり返すみたいな通俗だらけ。岡田将生のブラジル三世のポルトガル語とのチャンポンはいかにも下手糞で、淡路恵子の突然のアロハオエは造形が破綻しているだけで笑いも取れない。最後に化粧を落とした二階堂ふみ石橋蓮司が「もう厚化粧なんかするな」と諭すのも辛気臭く、最悪なのが原田泰造の土下座。こういう保守的な道徳観が2010年代に相応しいという制作者の主張なのだろう。呆れた話である。これほど辛気臭い描写群は邦画史通じても稀だろう。土下座は清水の『金色夜叉』(37)が当然想起されるが、あの強烈なイロニーのほうがはるかに現代的である。

(評価:★1)

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