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[コメント] 太陽(2015/日)

ウィルスを語って5年後のリアルをまるで予言できていない。本作は5年後の現実から選ばれなかった。オーシマ『飼育』にも大敗だろう。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ウィルスの抗体獲得者か否かの集団対立が語られる近未来。抗体獲得者が田舎町にはいない、という設定は、そうなるのかも知れないと思わせられるが、興味深いのはそのくらい。抗体獲得者が太陽の下で生きて行けないという前提は逆だろうし、田舎の集会所で三密の酒盛りしている無防備もあり得ないし、その他もいろいろ外している。

四国ではみんないい暮らししているという噂が覆される辺り、これは在日コリアンと北朝鮮を語るのかと思わされるが別に徹底されない。映画は限界集落をついでのように語るのだが、現実はウィルスなどなくても集落は限界だろう。

そして後半、どんどん退屈になる。貧相な人間たちがダークサイドを開陳し続ける展開はメット上では当たり前の光景。嫉妬と強姦と暴力で田舎町を語って中上建次の神話世界のつもりかも知れんが類型的で発見がない。『飼育』がちょっと思い出されるがオーシマ映画の理性がある訳でもない。頭で考えたSFという印象。

病院でベッドで輸血する件、森口瑤子が着衣しているのに門脇麦だけ半裸なのも情けない。こういうエロなしに本邦の劇映画は成り立たないのだろう。門脇にもっといい仕事をさせられないものか。

(評価:★2)

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