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[コメント] お嬢さん(2016/韓国)

もの凄い性的政治映画かと思いきや、何か無難な軟着陸。
寒山

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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本作の背景はもちろん言語帝国主義。被占領者が占領者の言葉でエロ噺をとつとつと語る。この歪さが心に残る。従軍慰安婦のイザコザが当然思い起こされ、これはもの凄い性的政治映画ではないかと緊張したのだが、何のことはない内輪の復讐話と普通のポルノだった。まあその気なら最初から詐欺師のハ・ジョンウを日本人に設定するだろう。これでは彼を最後にさんざ痛めつけても大した意味がないように思うが。

好意的にみれば、男根的植民地主義にしなやかに抵抗するLGBT映画、ということになるのだろう。しかしそれなら、ふたりの女のどちらかを日本人に設定すべきではなかったか。これでは韓国の内輪で小さく終わってしまっていて、訴えが弱い。

ミステリーとしては大したことはない。2部で1部を別の視点から語り直す手法は上手くいっておらず、傑作『愛してる、愛してない…』の下手な模倣に見える。チョ・ジヌンの老け役は落第点。素晴らしいのは美術で、旧家のロケの凝り具合が嬉しい。キム・テリが好演。ベストショットはキム・ミニの「玉門」の主観でキム・テリのアップを捉えるカット。山本晋也のポルノで観たような気がするけど。

(評価:★3)

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