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[コメント] 金曜日の寝室(1978/日)

まるで世界は浮気で出来ているかのような世界観素晴らしく、古臭いフュージョンの劇伴が陰惨な復讐劇を軽薄に肯定し続ける。フュージョンってそういう音楽。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







浮気を妻に電話で密告されて「強姦してやる」と息巻く宇南山宏に、「強姦して」と迫る浮気相手の加山麗子。そういう映画。密告者がなんで女と判ったのか不明なんだが、どうでもいいのだろう。

密告者が自殺した浮気相手の妹というのは平凡でいけないが、ともあれ密告者野平ゆきを強姦するという決心は果たされて泥沼。「殺すならベッドで殺して」加山を浮気現場に呼んで「私が呼んであげたの」「なんて女だ」。

ボートの収束は『狂った果実』系列で、確かに太陽族のなれの果てではある。加山に突撃するボートのラストはいい。この白いボートに向けて、生卵を子供に無理矢理喰らわせるみたいなショットが『泥棒成金』みたいに仕込まれている。

私的ベストショットは宇南山が呼び出された青山墓地で電話に躓く意味不明のショット。この電話も白く、すれ違う白いチワワ連れた令嬢のドレスも白い。密告の電話が再々鳴るのだが、爽やかな着信ベルも当時新しかった。「金曜日の夜は女子社員はみんなデート」と語られるが、すでに土曜日は休みだったのだろうか。

(評価:★3)

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