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[コメント] ムーンライト(2016/米)

良心的なテーマに支えられた凡々たるメロドラマ
寒山

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ゲイ映画という立ち位置、それが決定的に重要なのだが、これを省けば実に古典的なメロドラマだ。性描写は60年代以前に「退行」している。月夜の砂浜(なんたる通俗!)での背後からの撮影と、最後の同衾と。この配慮が大人、という感想だ。数多あるLGBT映画のうちアカデミー賞が本作を受け入れたのはこの配慮あってこそ、ということに意味があるのだろう。

第一部を牽引したマハーシャラ・アリは途中から姿を消し、トレヴァンテ・ローズは第三部で同じヤクの売人になる。なぜかこの変遷を物語は語ろうとしない。親切だったアリがなぜ売人をしていたのか、同じ立場になったローズには思う処があるはずだろうに、見事にすっ飛ばされ、黒人裏社会のテーマは雲散してしまう。子供の頃「オカマ」と云われるというありがちな話とローズの成長に何の関連があるのかもよく判らない。この辺り中途半端である。

凸ちゃんは70年代映画の描写を見て「汚い」と云ったものだった。私はポルノ映画は好きだが、性描写自体は退屈するほうだ。LGBTの性描写はこれからますます進んでゆくだろう。映画の性描写の歴史を鑑みればこれは必然だ。そのとき私のような感受性のものは置いてきぼりを喰らい、滅んでゆくのだろう。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] 緑雨[*]

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