[コメント] 居酒屋の一夜(1936/日)
訓話は排されナンセンスが徹底されるが、日本人か問答も外国船の宝物盗難も世情の反映に違いない。それらの賛否はナンセンスに隠されている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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大学は出たけれど、職のない若者数多、と澤登翠は語り(『大学は出たけれど』は1929年)、ルンペンの青年は沈没船の資金募集のビラ拾う。「数百年前の埋没戦モノナイ号引上げ資金募集」。職業紹介所の扉には跳ね飛ばされるのに居酒屋の暖簾には捕まえられて、泥酔。海底に落ちてまたも蛸との対決。これはお決まりで、子供たちが喝采を送る処だったのだろう。
武士が出てきていきなり斬りかかられ、ルンペンの青年は「日本人です」。なぜ日本人か否かが問題になっているのか判らぬのにそう応える。武士「証拠があるか」、蛸交えて逃げまくり、ドジョウ掬いで認めて貰う。「我が党の士に相違ないわい」。日本人なら斬られないのだった。このシークエンスも当時の子供は簡単に理解したのだろう。武士だから日本支持、というのは本来おかしいと思うのだが。
武士たちとモノナイ号を襲撃。踏み入るときの板使ったアクションがディズニー風で愉しい。カウボーイハットでフェンシングの相手は上半身と下半身を切り離し分身する技をみせる。この相手は船の財宝を守る幽霊という建前だろうが、外国船の襲撃には違いない。夢オチで居酒屋の主人に請求され、沈没船の資金募集のビラ渡すオチ。
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