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[コメント] 海の水はなぜからい(1935/日)

民話にありがちな教訓話かと思いきやぶっ飛ぶ収束。高級な物語作法で驚きが残る。いったい何の教訓だったのだろう。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







何で兄弟なのにこんなに仲が悪いのかという冒頭。神様らしい老人が橋から落ちかけるショットがアニメっぽくていい。この神様はいったい何を意図して、この話を仕掛けたのだろう。ギリシャ神話系の荒ぶる神だったのかも知れない。

紹介された妖精が爺さんばかりというのは『白雪姫』系列に見える(『白雪姫』は1937年だから別の作品なんだろうか)。妖精たちの頭巾が金持ちの兄さんと同じなのは、どういう含みであるか。

ドラえもんのポケットのような石の碾き臼だけでも面白いが、これが永遠に回り続けるというラストの永久運動の視覚イメージが凄い。私がこうしている間も、臼は海底で回り続けるのだろう。殆どの作画がリアリズムで、海底だけがノラクロタッチでふざけているのが何か素晴らしい。

大蛸の「危険」という立て札は頭殴られたからだろうが、塩まき散らす危険を感じていただろうか。悪いお爺さんへのお仕置きから脱線しているし、淡水魚は海に住めなくなると思う。

(評価:★5)

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