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[コメント] いしぶみ(2016/日)

朗読は淡々としており、それが狙いだったのか判らないが結果、生存者の感情に溢れるドキュメンタリーを際立たせている。国民服に声かけるご老人に感銘を受けた。美術は期待外れ。テレビの杉村春子版が観たい(鑑賞できたので追記しました)。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







杉村は左翼の人だった。綾瀬のニュートラルな語りとは何か違いがあったのだろうか。やはり淡々とこなしただろうか。

その日は学校に行きたくなかった、という複数の記録から、虫の知らせってのはあるものなのだなあと思った。「顔が二倍にもなって当人だと判らなかった」という証言の哀しさにうたれる。

この作品、英語版を制作するべきだと強く思う。

追記

3819695さんにご紹介いただいてテレビ版を観ることができました。3819695さんありがとう。下記で16年9月末まで視聴できます。

http://www.htv.jp/watch/

朗読部分は明らかにテレビ版のほうがよい。生徒たちの話は殆ど同じだが、太田洋子の作品も朗読されて情報が立体的。杉村は義憤と哀感を表現(演技ではない)して素晴らしい。彼女の朗読のバックに「海ゆかば」が流れると、戦争体験者の背負ってきたいろんなものが浮かび上がるのであり、これは若い綾瀬さんでは表現しようがないだろう。美術は冒険があり、ギョッとさせる処まで踏み込んでいる。ラストで忠魂碑に彫られた名前を全部映す姿勢もいい。だからこのタイトル(『』)だったのだ。映画の価値はドキュメンタリー部分の補足にある。

(評価:★4)

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