[コメント] メイン州ベルファスト(1999/米)
私は自分の住まう町の住人が日々何をして暮らしているのか、話でしか知らないし体験しようがない。本作は我々が毎日バラバラに体験している光景を一斉に目の当たりにできる得難い体験。4時間があっという間に過ぎた。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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山中で妙な狩りをしている男と、クリーニング屋の行程がとりわけ印象に残った。そして自然描写はすこぶる美しい。ブレッソン直系の無骨さで、この作品は、人と機械と自然が均衡をなして町が成り立っている、と主張しているかのようだ。思いもよらなかった視点で、とても説得力がある。そしてこの三位一体には独特のリズムが潜んでいるの浮かび上がってくる。艶やかなのだ。
しかし、こんな上手でなくてもいいから、私の町でこの手法による作品が撮られたら、単純にどんなに面白いだろうと思う。誰か撮ってくれないものか。
あと、学校でのメルヴィルの講義は短いが興味深い。「白鯨」の博覧強記は本作の方法論でもあるのだろう。
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