[コメント] フィラデルフィア物語(1940/米)
高評価の脚本らしいが退屈。何やら陽気だが笑いはなく、古臭い倫理観に引っ張られて突飛な面白さに欠け、つまらぬ説教まで聞かされる。一流の俳優が一流の演出で空疎なお芝居をさせられているとしか見えない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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相手方のいなくなった結婚式場に、そこにいた前夫を招き入れいる。この着地点は面白かろうが、そこに至るプロセスは納得のいくものでは全然ない。
いろいろあった結婚前夜にかかるキャサリン・ヘプバーンの翌日の記憶喪失は何も面白くなく、それがためにさんざの前振りは意味がなくなり、キャサリン三択に観客が参加することができなくなった。結局はキャサリンの任意のセレクトとしか思われない結末を迎える訳だが、そのドタバタは別に可笑しくも何ともないし、内容もなく空疎に過ぎる。これでは新夫予定のジョン・ハワードが気の毒だろう。
序盤の記者潜入の前振りは早々に放棄され、別に笑いがある訳でもなくこれも中途半端。キャサリンの父はキャサリンに浮気を指摘されて、娘が冷たいからその代替なのだと宣い、キャサリンは泣いて父に詫びる。こういう件は当時の常識なのかと吃驚してしまう。訳の判らん説教聞かされた具合だ。
フィラディルフィアはクェーカー教徒の総本山だからフィラディルフィア物語、ということのようで(ケイリー・グラントの科白にある)、その辺りが作劇にどう含まれているのか、私に読解力がないから面白味が判らなかったのかも知れないが、しかし判った処で感想に大した違いも出るまい。
メモ:冒頭にヨーヨーが出てくるが、当時の日本でも大ブームがあったらしい。
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