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[コメント] 流血の記録 砂川(1957/日)

建設反対運動のドキュメンタリーは『三里塚』シリーズばかりが有名だがあれは応用編、本作が基本編の趣。日本人(今のところ)最後の争議成功体験。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







争議が本格化しない間にはキャッチボールしている風景描写がリアルでいい。まず間に入るのが社会党の国会議員(共産党はいない)という立派な仕事っぷり。相手方のフィクサーみたいなオッサンは生々しく、米軍は背後に隠れている。日本山妙法寺の坊さんの集団参加もすごい(三里塚の建設反対運動にも参加した団体らしい)。

人海戦術な闘争はもの凄い。学生たちは何の武器も持たず、空手で警備隊に体張るばかりなのだった。米軍撤退の報を聞いた祝祭は華やかだ。砂川は成功体験であった。そして学生たちは学校へ帰った。「人生観がかわった」と警備隊の青年が自殺した、とあるのが印象深い。いまの警備隊のマシーンみたいな青年たちに、本作を見せてやりたいものである。

(評価:★5)

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