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[コメント] そよ風 父と共に(1940/日)

これも最強の凸ちゃん映画で、ロシア人がクォーターで入っているのだったか、その美少女振りは極点に達しており、ヤマサツは特に何もしていないのだが凸ちゃんのアップを何度も撮るのが単純に素晴らしい。比較的どうでもいいが話もいい。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







育ての父なのを内緒にしている藤原釜足と娘凸ちゃん。このふたりの距離感の変遷が本作の素敵な魅力だ。凸ちゃんは自然なのに釜足はぎこちなく応対して、それが長年続いて板についていると見える。それが酔っ払い事件があって、酔った釜足が夜中なのに浪花節を唸る。凸ちゃんも自然にこれを受け入れる。そして実の父の丸山定夫が登場し、取り乱しを挟んでふたりはお互いを慮る大人の関係になる。

ヤルセナキオとは別の優しい収束で、このホンは自分向きじゃないと若手に渡したのだろうか。しかしこれはナルセの別バージョンの秀作だ。路地の捉え方が優れており、凸ちゃんが後ずさりする数カットに分割したショットや、丸山を追って路地を行くショットにいいものがあった。御舟京子は後の加藤治子でイッパツで判る。ロケ地は北沢辺りで今でも面影が残っているとか。

(評価:★5)

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