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[コメント] 山猫リュシュカ(1921/独)

モテすぎで左遷された中尉のパウル・ハイデマンは上原謙のように誰にでも優しいから山賊の娘にも優しい。なんて喜劇的な人物だろう。待ち受けるポーラ・ネグリは春川ますみの野蛮を彷彿とさせる。春川ますみVS上原謙!
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ここでも国境警備隊の2段ベッドや髭の隊長のシュールな顔描写、千人規模の中尉送迎(百人規模で子供が手を振るのは爆笑もの)に『牡蠣の女王』の抽象が継続されている。祝勝会への山賊の突入、酔っ払って着替えてダンス、敵味方は夢のように境界が消滅する。シロクマのぬいぐるみの伴奏で中尉とオーソン・ウェルスのような歪んだ鏡で踊る山猫の夢。なんと多幸症なことか。ずっと雪景色のロケで坂を仲良く転がり落ちる破天荒な関係は、中尉は大将の娘、山猫は山賊と結ばれて何もなかったように終わる。アイリスはいったい何種類用意されたのだろう。

(評価:★4)

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