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[コメント] 清水港の名物男・遠州森の石松(1958/日)

見処は撮影・編集の巧みさで、リズミカルにカットが変わる度にベストアングルが更新される至福は得難いものがある。作劇は正に表層批評好み。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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有名な物語の切り取りだからなんだろうが、冒頭の葬儀で母親が位牌に向かって絶叫する件など、単体で見ると前後関係無視でよく判らない。省いてもいいのではないのだろうか。借金取りを追い返す長谷川裕見子の薙刀捌きは痛快だが、この夫婦の断片も後半に突然嵌め込まれるのは唐突。

ラストの「石松開眼」も正にそうで、よく判らないが凄い、としか云いようがない。各断片の密度を愉しめばよいのだろうが、話好きとしては物足りないものがある。こういうのが物語批判の表層批評に喜ばれる処なのだろう、とは思う。

東千代之介の再登場はいかにもスターの扱いで、東と錦之助がそれぞれが藤と夕顔を切り落とすという脈絡でもって繋がってはいるが、なぜかここは大して撮れていない。丘さとみのよく判らない論理と、やたら語尾にジョをつける讃岐弁はいい。

(評価:★3)

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