ただ最初から彼女らは自足しておりドラマはなく、映画は事実確認の時間になっちゃっており、その生態は今更驚くようなものでもないから、劇映画としては面白くない。ただ、男がもっと翻弄されたほうが話は面白かっただろう。一夫一婦制に拘る石渡譲が最後に早瀬から父親の判らぬ赤ん坊を渡されるという母親二代連続のギャグは最後に来てやっと冴えを見せたが、このタッチはもっと盛り込めたんじゃないだろうか。

早瀬と原田芳雄の大人の会話が長すぎただろう。自足したふたりに面白味が感じられなかった。その他、三こすり半の石橋蓮司の教授とか、テレビで有名人とのセックスをバラすアイドルの杉浦幸とか、ときどき面白いネタがあり、アラブの石油王まで引きずり込むんだから箆棒だ。その辺もっと膨らませてほしかった。ラストの難民救済は若松らしい強引さで好感。副題「New Sex Life-Style Bible」。