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[コメント] 市川馬五郎一座顛末記 浮草日記(1955/日)

ミゾグチにしてもオヅにしても、旅芸人ものは不況解散が相場だった訳で、別の結末を求めたのは立派。花沢徳衛がいい。
寒山

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







云いたいのは当時のヤクザな興行主の支配からの脱却の模索であり、組合活動にそこからの出口を求めたということだろう。独立プロが組合系の提携先の販売を見込んで映画つくるという方策は多くあったもので、昔の東映的な興業のあり方とは対極にある。

終盤の球寄せの技法は賑やかで、組合への共感はたどたどしく(日本的なリアリズムでは描けないのだろう)、この辺りいつものヤマサツ節。組合演劇の件は当時どんな具合に盛り上がっていたのか確認できて興味深い。ともあれ確かなのは、今やヤクザの興行主も旅芸人も炭鉱も労働組合もほとんど見えなくなったことだ。

撮影は上等で様式美に拘らぬ生気があり、ドタバタ志向のヨレヨレの芸人たちが愉しい。八住利雄は同年に『夫婦善哉』を物しているのだから面白くて当然だろう。主演二人は好感度高く、小沢一郎仲代達矢もすでに持ち味を出している。

(評価:★4)

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