コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 越後つついし親不知(1964/日)

いじめの横行する小学校のようだ。
寒山

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







強姦はいつかバレるだろうがまあ構やせんと薄鈍く佇む三國連太郎。妊娠を云い出せなくて夜中に石臼を抱える佐久間良子。殺した女房を愛撫する他どうすることも出来ずに炭焼き釜にくべる小沢昭一。なんという幼児的な連中だろう。一滴の血も流れないが、目が回るほど残酷な場面の連続である。

産婆から嘘が発覚するのを諦念とともに待つ佐久間良子に、子供の頃空々しい嘘をついて、いつバレるだろうとビクビクしながら日を過ごした厭な思い出が蘇った。恥の文化を無法のうちに過ごす原=日本人は古の存在ではなく、今も裏社会に横行していると思う。本作はこれを指摘するリアルなリアルな作品。

逆光の照り返す水田での凶事は古典悲劇の崇高があるが、西洋のそれとは似て非なるものだ。ギリシャ悲劇ならくどいほど口論した後に至る場所であり、こうなるより他になかったのだという感慨があるところだが、本作においては、これじゃあ浮かばれないと、感慨どころではないのである。

勇気を持って先生に云いなさい(先生がどこにいるかは判らないが)。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] ぽんしゅう[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。