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[コメント] 他人の顔(1966/日)

前半の包帯人間は『透明人間』(33)の二番煎じの愉しさがある。俺は誰でもないんだ!と強姦始めるトンデモ展開は吾妻ひでおの漫画のほうが面白かった。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







前半の包帯男が誰かをみんな知っているのが『透明人間』と違いのある処でユーモラスでいい。中身は狼男に似ている。仮面の変装(その鬚が槇原敬之を想起させる)が、ヨーヨーする市原悦子にも妻の京マチ子にもバレテしまうのは、彼女らの第六感とかではなくて、単に声が仲代達矢と同じだからではないのか。そのように「聞こえて」しまうのは、映画の瑕疵なのか狙いなのか、よく判らない。

大会社の常務はいいマスクつくって自分が判らなくなり、ケロイドの娘の入江美樹は美容整形すらできずに自分から逃れられず海に身を投げる。この貧富の差はモダニストである安部公房にはどうでもいいものだったのだろうか。

精神病院で野球する田中邦衛(東条英機みたいな奴もいる)みたいな描写は、これを笑い物にする太い神経を持っている私の上の世代にはアピールしたのだろう。仲代もこの仲間入りという収束。顔が半分なくなった群衆の行列は愉しい描写だが、理屈がイマイチついていっていない。自分を失くした都会人なんてのは、当時でも通俗な認識だっただろう。

(評価:★3)

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