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[コメント] アンデスの花嫁(1966/日)

なんで左幸子は此処にやって来たのか。とても寓意的でシュールにすら見えるが、それは私が当時の南米移民について無知なせいなのかも知れない(シュールとは過度にリアルなものなのかも知れない)。
寒山

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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という初期設定を除けば、『ブワナ・トシの歌』に比べて寓意度は低く、セミ・ドキュメンタリーの色彩が濃い。マチュピチュなどの美しい背景と『糧なき土地』を想起させるリアリズム描写の混在はリアルだし、日本人のコネを頼る左幸子も、インディオの被る差別も生々しい。この泥臭さがさすがである。

そんななか、亭主のアンセルモ福田の掴み処のない飄々とした人柄がいいアクセント。この人物のユニークさに小さな希望を抱く展開の心優しさがいい(塀の倒壊はいいショットだけど、彼を作劇で殺す必要があったのかは疑問)。

親より現地語を先に覚えてしまう長男がまたリアル。ラストの夕暮れの、日本とよく似た提灯行列はとても美しい。異邦の地であれに遭遇したら私など望郷の念に泣いてしまうだろうに、左はここにもあるのね、と嬉々として列に加わる。土地になじんた子供について行く母の強さを表して素晴らしい。このラストも極上だった。

(評価:★4)

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