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[コメント] 鞄を持った女(1961/伊)

ブルジョアな青年とフリーランスの「伊豆の踊子」
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







継母、辛気臭い神父、子供がいるのみたいなショッキングな告白、どれもアイドル映画っぽい。しかし、酔っ払ったCCのカフェから浜辺への踊るような逃走がカラッとしてして素晴らしく、アイドル映画にありがちな辛気臭い終盤を予想していたのだが外れてよかった。その浜辺で石のような表情を浮かべるジャック・ペランも、双葉より芳しの名演がある。

このふたりがはじめて出会う夜の屋敷に大木の影が投げかけられてあるのだが、その大木自体は画面のどこにも見えない。これが不思議なショットで印象に残る。イタリアの初期ロックンロールが記録されている。生ギター演奏の劇伴にいいものがあった。ただし、ヌーヴェルヴァーグのようなサムシングは感じられない。

(評価:★3)

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