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[コメント] トラック野郎 一番星北へ帰る(1978/日)

大谷直子にゴム鉄砲引く息子へのズーム三連発と咽び泣くマンドリン。何というやり過ぎだろう。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







突然の大谷直子で、マドンナの素人芸を眺める苦痛がなくなったのが有りがたい。未亡人の侘しさを表出して極めつけ。

さらに、一、二作にあった警官との義理と人情の主題が思い出したように繰り返されているのがいい。カント倫理学の権化のような田中邦衛との対決が魅せる。設定など無茶だがそれゆえの迫力がある。

水没村の件が口伝でしか語らないのが私など不満なのだが、しかし思えばこの年代の人たちですら、昭和30年代の話はもう昔話なのだ。だから口伝の表現が取られるのはリアルなのだろう。

オバQ対ドロンパの文太対黒沢年男も面白い。黒沢のコメディは上手いものだ。反米の基調もまた80年代には失われるだろうし、黒沢の自虐ギャグもまた今後ますます意味が判らなくなるだろう。「仮面舞踏会」なんか若い連中が知っている訳はない。

(評価:★4)

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