序盤の人玉のような誘導灯とか、終盤の氷に埋もれるショットなど感じいいし、囚人脱走はバカバカしいけど地下鉄駅の洪水はよく撮れている。怪獣対決もモノクロだと別の味があっていい。白髪なびかせる清水将夫は狂ったかと思わせる。

大阪破壊されて地味に社屋を片づけている職員たちがいい。あのままゴジラから遠く離れて北海道、千秋実は結婚して、ゴジラは忘れ去られたという展開だったら面白いのだが、当たり前だがそんなことにはならない。この世はままならぬ。木匠がすぐ引っ込むのは哀し過ぎた。

本作は前年にできた自衛隊全面協力の自衛隊宣伝映画と云われるが、活躍するのがガス人間土屋ではＰＲになっているのか疑わしい。土屋がなぜふたりいるのかと疑ったが、似ているのは山本廉という俳優らしい。小泉の自衛隊員との交流は、旧軍の航空隊から缶詰会社に転身したということなんだろうが、彼が自衛隊機に乗ってミサイル撃ちまくるのは異常。自衛隊も人手不足ということだったのだろうか。

あと、ゴジラは一匹ではないそうだが、ゴジラが一度に百匹ほど出てくる回があってもいいと思うのだが、なぜないのだろう。