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[コメント] 始皇帝暗殺(1998/日=仏=中国)

金かかった画の連続なのに編集がサクサク軽いダイジェスト仕立てで実に淡泊。もっと粘着質だったんじゃなかったか『黄色い大地』とか。話は同じ原作者につき『帝都物語』程度で始皇帝は笑福亭笑瓶に激似。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







中盤のロウ・アイのクーデター返り討ちの脇筋は、全部いらないだろう。途中まで盛り上げておいたコン・リーがぱったり出てこなくなって調子が狂う。こんなところは略して本筋を充実させるべきじゃなかっただろうか。と思って観ていたのだが、本筋に戻っても同じように退屈だった。なんて大雑把な人物たちだろう。だいたい二股恋愛で語る話だったのだろうか。

結局、一番印象に残ったのは幼少期の秦帝の回想、千尋の谷渡ってコン・リーに飯貰った話。会話の回想なんだが、この中国奥地の千尋の谷のイメージに匹敵する映像など映画になかった。

あとは、コン・リー焼き鏝の件、高貴な覚悟ができているとかと思いきや「軽くやってね」と可愛くお願いするのが良かった。指詰め描写のバリエーションで、美女が当事者というのは珍しくていい。赤く光る焼き鏝の小物も渋かった。大小様々に球が転がされるのにも映画的な悦びがあった。こういう前衛含みの描写なんかもっとあれば良かったのに。

(評価:★2)

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