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[コメント] 大魔神(1966/日)

大魔神が逃げ惑う五味龍太郎の目線を捕まえるカットが素晴らしい。正に悪夢。
寒山

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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ゴーレム伝説の翻案だそうで、そう思って観ると面白い。最後に土塊に還る処(とてもいいショット)なんかそのままな訳だ。藤巻潤は殉教者っぽいし。村が神道一点張りで仏教色が希薄なのは多分おかしいのだろうけど、中世なら辺境にそんな村のひとつもあるだろうというリアリティが醸し出されている。

護摩焚きの人形の無国籍なトーテムっぽさもいい。私は子供の頃観て怖かったのはこの序盤で、特段の説明もなくいきなり地鳴りがしてテンションがテンパる怒涛の展開がすごい。力入っているなあ、大映。謀反の首謀者が余所者という設定は良くも悪くも封建的。以降10年間、無神論者の連中が魔人の山を探索しようとしなかったのは変で気になるが、些細なことではある。

高田美和が大魔神に願いを聞き入れてもらおうと滝に身を投げかける件が印象に残る。どういう背景からそうするのだろう。人身御供ということを武士階級は周知していて、万一の際は覚悟している、ということなのだろうか。兄さんを十字架ごと投げ捨てる(よく怪我しなかったものだ)大魔神も高田の涙にはほだされる。キングコング系のエロティシズムはここには全くなく、「妹の力」が強調されており、この収束だけは純日本風だった。珍しく善人役の伊達三郎がいい味だしている。

(評価:★4)

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