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[コメント] パラダイスの夕暮れ(1986/フィンランド)

不器用な中年男女をパロディの手前で寸止めにして超然とさせる手際は見事なもので, 文句のつけようもないが小粒。もうひとつのアイディアに欠けると思う。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ビンゴの店という風俗は愉しく、ここが選ばれるぎこちないデートは確かに『タクシー・ドライバー』のポルノ映画館のパロディめいている。「俺には自分の名前とゴミ収集車の制服しかない」と語り、壮年の自分の病状を付け足すマッティ・ペロンパーの醸し出す渋味は求心力があり、エストニアを目指すラスト(『カラマリ』、『タチアナ』と共通する)にも主張がある。こういう断片はときどき琴線にかかるものがある。けどやっぱり小粒だなあという感想。

なお、『あの夏、いちばん静かな海。』(91)は、不器用な恋愛の主題とゴミ収集車の背景、及び全編にわたるカウリスマキ・タッチでもって本作のモロパクリに見える。

(評価:★3)

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