[コメント] 沈黙(1963/スウェーデン)
10年先んじた『エマヌエル夫人』みたいなものだろう。夜道にぬっと出てくる戦車など男根のシンボルとして笑っちゃうほど単純である。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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イングリッド・チューリンと同衾するカフェのボーイのオスっぷりは戦車に見合ったもの(彼の小銭をわざと床に落としてスカートを覗く技は天晴である)。その他、通じない言葉とか路上を何度も行く引越しのロバとか、象徴が判りやす過ぎて単純。宗教色は皆無と云っていいだろう。
なかではホテルの迷路化が愉しい。いつもの微妙な音響含め、これらのテクはタルコフスキーに引き継がれている(冒頭の汽車は『ストーカー』が想起される)が、タルコフスキーのほうが数段巧い。こういう演出は単純に時間をたっぷり取ったほうが面白い、ということだろう。
終盤は判りにくい。病気の姉を残して妹は何で旅を急ぐのだろう。難解ではなく腑に落ちないのだ。要は見捨てたということなんだろうけど、なぜ性愛の対立ぐらいで見捨てるのか釈然としない。なお、本作は女の自慰をポルノ以外で初めて映像化した作品とWikiにある。
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