[コメント] あすなろ物語(1955/日)
面白いのは内気な少年と年上のおきゃんな女三態という設定自体であり、もっと面白くできただろうに半端。高原駿雄のグロテスクな犬猫の物真似が強烈でここだけ記憶に焼きつく。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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岡田篇、根岸篇は俳優単位ではいいのだけど話自体は平凡。面白いのは久我篇だ。久我の取り巻きである高原駿雄の犬猫物真似の自己卑下が物凄く、「彼等は私を半分憎んでいるのよ」という久我の省察ももっともだと思わされる。この第三篇だけ鬱陶しい立身出世主義から逃れているもの好ましい。最後に脈絡合わせがあるけど。
堀川はこの処女作からしてすでに師匠より女性の造形が巧いのが確認でき、特に岡田茉利子と浦辺粂子が優れている。撮影美術は丹精だが、肝心の処が巧くいっていないだろう。岡田篇のラストの雪の山中は平凡、当然科白通り沼を映してもらわないと困るし(彼女の自死からすぐさま三年後に飛ぶ作劇は、オムニバスにしても無茶である)、根岸篇の海辺も久我篇の飛び降りもまた平凡。鉄棒技も敵方だけロングで見せて味方側が繋ぎまくりでは駄目だろう。「菩提樹」の替え歌などクロサワ仕込みのダサさで、これを愛せるかどうかは微妙である。
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