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寒山拾得さんのお気に入りコメント(104/167)

早春(1970/英=独)★4 傑作。映画館の光と闇(なんだ、あのポルノ映画は!)。娼婦の応対。プールに水が貯められていく間に声も反響する。どこか非現実的な感覚がどんどん増幅されていき、物凄いラストショットに結実する。主人公が劇中で夢想した状況の現実化であるのにも関わらず、全てが破綻した瞬間でもあるという二律背反性。言葉では表せない引き裂かれた感覚を持つショット。これぞ映画だと思う。 [review] (赤い戦車)[投票(4)]
満員電車(1957/日)★3 まず「風」氏に次ぐ魅力を持ちえた船越のキャラ「さらり」氏をあんな形で途中退場させたことが許せない。次に女優陣の魅力の無さ。イモばっかりだ。そしてなにより嫌味だ。芸術家によるサラリーマン批判ほど独り善がりでムナクソ悪いものは無い。この映画にはクレージー映画や井上陽水の「東へ西へ」で見られるような愛情や理解が露程も無い。 (町田)[投票(2)]
動くな、死ね、甦れ!(1989/露)★5 悪ガキ譚としての日常が非日常へ延伸する契機の列車転覆や糞尿泥濘の醒め切ったスペクタキュリティもだが女囚の売春や強盗団の殺人など少年が見聞きし体験する外世界の非情こそカネフスキーの現状認識だった。1人世界を引き寄せた少女も断たれ母は狂う。 (けにろん)[投票(2)]
日本橋(1956/日)★4 私は着物で出歩く事が多いので、海外(除く韓国)でも着物を着ることが有ります。必ず聞かれるのが「ゲイシャガールかい?」なので、「サムライです。ゲイシャはコーティザン(高級娼婦)です、あなたは私を侮辱しました、空手で殺してやりましょうか?」というと大概の男性は逃げて行きます。 [review] (りかちゅ)[投票(4)]
わたしたち(2015/韓国)★4 絶妙に微妙な2人のキャスティングを誂え作り手は徹底的に突き放すが催涙的な加担はせぬ一方で彼女の寝顔のあどけなさは愛でて止まない。それこそ親が子を見守る視線であるかのように。強固な演出だが世界は限定される。葬儀のあとの海辺が一瞬風穴を開けた。 (けにろん)[投票(1)]
乱(1985/日)★4 ピーターなかなか気の利いたこと言うじゃねェか。しかし… [Video] [review] (Yasu)[投票(2)]
乱(1985/日)★3 役者の演技にも、様式美にこだわった映像にも本物の風格が感じられる。にもかかわらず圧倒的に退屈。 (太陽と戦慄)[投票(2)]
乱(1985/日)★3 圧倒的なスケール感のもと、人物を名称や色彩によって記号化し、人間の欲や業を視覚的にあぶり出すという企てだろうが、その物量は時代遅れのハリウッド大作のようで古臭い。終盤の「神も仏も」の迷解説も老いてますます説教臭い。救いは原田美枝子と井川比佐志。 (ぽんしゅう)[投票(2)]
乱(1985/日)★4リア王』の翻案が、なぜ『蜘蛛巣城』に。後者が『マクベス』そのものよりも秀逸だっただけに残念。原田美枝子山田五十鈴の通俗的なコピーにしか見えない。そもそも、三姉妹を三兄弟にしたときからボタンのかけ違いは始まっていたのでは。 [review] (かける)[投票(8)]
乱(1985/日)★3姿三四郎』と二本立だったので比較して、映像の弛緩した感じと、全編に流れる「俺が、俺が」と言う自己中な印象が拭えなかった。 (uyo)[投票(1)]
乱(1985/日)★2 「悩乱」も「戦乱」もあるが、肝心要の「混乱(カオス)」が無い。混ざり合わないそれぞれの悲劇たち。 [review] (町田)[投票(4)]
おぼろ駕籠(1951/日)★4 田中絹代ほど酔っ払いを素敵に演じられる人はいない。 (ハム)[投票(1)]
箱根風雲録(1952/日)★4 人力で一キロ以上も穴を掘るという無茶な発想にかなり胸がドキドキした。娯楽映画としても社会派作品としても傑作だと思う。 [review] (ハム)[投票(1)]
ストップ・メイキング・センス(1984/米)★5 しゃべる頭が正気のふりをするなと言う。 [review] (minoru)[投票(3)]
ストップ・メイキング・センス(1984/米)★4 16x9 [review] (町田)[投票(6)]
ストップ・メイキング・センス(1984/米)★4 歩く足から始まる映画の系譜。アステアを想起する。デヴィッド・バーン自体が映画的な、ある意味畸形的な存在で、彼のパフォーマンスを映しただけでも興奮をそそるだろうが、デミ+クローネンウェスという才能が映画的興奮として画面に結実させている。当たり前過ぎることを云うようだが、映画は「興奮」のためにあるのだ。 (ゑぎ)[投票(2)]
猫と庄造と二人のをんな(1956/日)★4 タイトルには「二人のをんな」とあるが、庄造(森繁久彌)にからむ女は先妻山田五十鈴、後妻香川京子だけでなく、その母親浪花千栄子も含めて考えた方が良いだろう。この三女優が三人とも実に良い。山田五十鈴の終始鬼のような表情も凄いし、浪花千栄子の狡猾ぶりも素晴らしいが、中でも香川京子が一番の儲け役。 [review] (ゑぎ)[投票(5)]
立ち去った女(2016/フィリピン)★4 3時間48分を費やして物語りながら饒舌すぎず、ひたすら凝視し続けて寡黙すぎない不思議な語り口。99.9%の固定ショットの客観を、突如切り裂く0.01%の手持ちショットの主観の衝撃と破壊力。それは贖罪が復讐を凌駕した瞬間であり、新たな罪が生れた瞬間でもある。 [review] (ぽんしゅう)[投票(2)]
歌行燈(1943/日)★3 抑制を善しとする成瀬作品群の中にあって異色の劇性・物語性。新生新派か知らんが、俺はこういうのは好かんな。 (町田)[投票(1)]
クリーピー 偽りの隣人(2016/日)★2 完全に骨抜きにされたライト版『CURE』。「どこまでも行くぞーっ!」からの膝カックン。わたくし、黒沢監督には終わらない負の拡散で世界を滅ぼして欲しいのですが。 [review] (DSCH)[投票(5)]