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[コメント] ブラック・スワン(2010/米)

つらい
マカロン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







初見は肩透かしだったが、何度かスターチャンネルで見かけるたびに考え直した。 少女マンガレベルであるのは違いないが・・・最後まで見せてくれた。但しはるか昔の少女マンガで育った自分ならでは、なのかもしれないが。

肉体表現であるバレエを役者を使った映像化自体難しいのは百も承知だ。いくら特訓しても成り得ないものはなり得ない。「よく頑張ったね」レベルでしかない。

評価したいのはナタリー・ポートマンのバレリーナとしての頑張った感ではない。

バレエ、新体操、フィギュアスケート等々身体表現を追求する分野のトップを走る人間の「愚痴」は、その肉体表現の圧巻の技術の披露の前では一瞬に消えてしまう。私たち凡人は天才を神格化してしまうが、彼らも人間でありその才能とは別に普通に「愚痴」もあるのかもしれない。またその「愚痴」も凡人と似てたりもする。 ニナの苦悩は、ステージママとの母子家庭等々特殊な事情もあるが、天才はそれらすべてを乗り越えて偉業を成し遂げている。

ニナはコーチの助言にほぼ従っている。 ラスト近く遅れて劇場入りしたニナに対して「君の成功を阻むのは君自身。邪魔者は消すんだ。解き放て」と耳元でささやく。普通の人間が普通の人間に対するアドバイスしただけであるが、極限まで追い詰められた「純粋培養されてきたニナ」にとっては悪魔の囁きであった。

黒鳥に入る前の楽屋での争い「私の番よ!」とリリー(実は自分自身)刺してしまったあとの本番の黒鳥のメイクと演技、それは鳥肌ものではあったが、命と引換ではあまりにもつらい。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)Madoka[*] けにろん[*]

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