[コメント] 空の大怪獣 ラドン(1956/日)
『ゴジラ』を遥かにしのぐ傑作。スタンダードサイズの画面の構図、フレーミングはほぼ完璧である。屋内の場面では常に画面内に窓が配置され空間に開放感と奥行きを与えるように設計されている。高低差のある場所を意識して選んだと思われるロケーションや炭鉱内の美術は最良の西部劇のように素晴らしい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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特撮場面においてはラドンの姿を始めは明確に見せず空に描かれる飛行機雲で表現する演出が素晴らしい。同じような表現が『さらばラバウル』のオープニングでも見られるし、円谷英二にとっても戦闘機のように空を飛ぶ怪獣というモチーフはさぞ演出し甲斐があったのだろう。福岡壊滅後にダットサンや森永ミルクキャラメルのネオンだけが点灯している場面などもユーモアが感じられ面白い。
惜しむらくはラストの阿蘇山へのミサイル攻撃の場面が単調な上に長ったらしく、面白味に欠けることか。これさえ何とかしてくれれば文句無しの傑作なのだが。しかしその後の炎の中でラドンが事切れる場面の見事な「演技」は忘れがたい。
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