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濡れ鼠さんのコメント: 更新順

★4マドモアゼル(1966/英=仏)まだ伊太利移民が反外国人感情の標的になっていた頃。それが葡萄牙人だったこともあるし、ここ2、3世代はアラブ人、今は中国人もやり玉に上がる。ハネケ好きが好きそうな超後味の悪い話だが、デュラスの息がかかると、にわかに濃密な官能性が匂い立ち、垢抜けない野人に希・羅的な神々しさが宿る。これが昭和ニッポンだったら団地妻の売春程度なのが、マックス・ジレも顔負けの愉快犯に高じるところにサドを育んだ風土を偲ばせる[投票]
★3おとし穴(1948/米)むしろ暴力団の用心棒役が似合いそうな巨体探偵が、調査対象の女に惚れ込み、ストーカーを働くだけでなく、後に恋敵となる雇用主にも牙を剥いて一騒動起こす。このあまり類を見ない感じの異常人格キャラの導入は魅力的だが、一人の女を巡る男達の葛藤がどうも生煮えで、お座なりの痴情事件で強引に話をつける感じ。女は女で、妖婦としての自覚が弱く、日和見に終始している。総じて印象が散漫で、強力な感情の波を引き起こさない[投票]
★4さらば荒野(1971/英)今世紀の対テロ戦争を予告するような、圧倒的火力差による非対称戦の息詰まる攻防。<無法者>は反撃のチャンスも与えられずピンポイントで狙い撃ちされる。何とか辿り着いた水飲み場が瞬く間に血の池地獄に一変。町の名士によるposseが、快楽殺人の嗜好を隠そうともしない男のための人間狩りの機会に堕するまでの展開が白眉。逆に、後半は、寝取られた亭主による<捜索者>/恋人達の逃避行の二番煎じに簡単に収まってしまう。7/10[投票]
★5窓(1949/米)聞きしに勝る児童ホラー?の珠玉の小品(世間ではノワールに分類されるらしいですが)。確かに年端もいかない子供が狡猾な殺人犯に一人で立ち向かわなければならないシェーマは、『狩人の夜』に通じるものがある。が、追うものと追われるものの目くるめくローラーコースター感は、こちらのほうが頭ひとつ分抜きん出ていると思った。 [review][投票]
★4太陽の爪あと(1966/英)これはむしろ夢野久作や香山滋の世界に通じる、なかなかしんみりとした余情を残す異人悲哀談。肝心の<不気味なもの>の登場まで、ゆうに1時間以上待たされるが、都会の新婚さんが荒っぽい下賤の男達の無知と不埒の洗礼を受ける前振りの部分が滅法面白い。C・ドヌーヴとJ・フォスターの良い処取りしたような清楚系のヒロインの妖精のような俤が、口外無用の奇禍に見舞われた一族の末裔という命運をえらく神々しいものに見せる[投票]
★3ヨーロッパのある首都警察の秘密の書庫からの掘出物(1972/伊=スペイン)悪魔のいけにえ』の殺人狂家族の代わりに悪魔教会の設定で行ってみようという企画の大枠自体悪くないのだが、例によって人の動かし方が雑で、展開的にサスペンス志向が希薄なので今一盛り上がらない。瀉血したイヴァンカといった芳顔のヒロインは終始ぼうっとしてて撮影中薬でもやってたんじゃないかと勘ぐってしまう。時折思い出したように乱入してくる外連味たっぷりの幻想/幻覚シーンぐらいしか見所がないのがつらい。[投票]
★3二重の顔(1969/伊=独)素材的にはヒッチコックとシャブロルの間の非嫡出子のような遺産相続絡みのドメスティック・スリラー。脚本が多くの人の間をたらい回しにされて何度も書き直されたためか、どうも方向性が絞れてなくてテンポが悪い。いかにも同時代的なサイケ音楽は調子外れでイライラ来るし、中盤のナイトクラブのトリップシーンは無駄に長くげんなりさせられる。ラストの伏線の回収の仕方も段取りができていないので感情的についていけない[投票]
★4ヒッチコック博士の恐ろしい秘密(1962/伊)まだまだイタロ・ゴシックには隠れた名作があった!そんなにバタバタと人が死ぬわけでもないので若干中弛みするが、終盤にかけて一気に盛り返す。窓枠やカーテン、隠し階段や地下道を使った視線の誘導のサスペンス、カラーなのにモノクロのように強い光と闇のコントラストから生まれる目眩まし/死角の脅威、どこがどう通じているのか途中でわからなくなる屋敷の迷宮然とした内部構造も袋の鼠になった新妻の恐慌を弥増しに煽る[投票]
★4ラブ・ウィッチ(2016/米)奥さまは魔女』の能天気にジャーロの淫靡がカクテルされた懐古趣味が炸裂。ファッション撮影並みに配色から小物まで細心の注意が払われておりヴィクトリアン・ゴシック好きにはたまらなそう。だけど、お粗末なフレーミングのせいでせっかくの造形の魅力が半減 [review][投票]
★4アイズ・オブ・マイ・マザー(2016/米)ワイエス的な引きの画面の森閑とした奥行が、エド・ゲインの女性版の物語に、大人のための残酷な童話のような奇妙に歪んだパースペクティブを付与すことになった。 [review][投票]
★4壁にぶつかる頭(1959/仏)50年代の<反精神医学>運動の一翼を担おうという意気込みがひしひしと伝わってくる至極まっとうな社会派ドラマ(と記憶する)。演技も撮影も重鎮揃いなので見応えあるが、正直フランジュの感性に相応しい題材であったか疑問。たとえ、屠殺場の実態を暴き出すときでも、彼には胡乱なリアリズムを超えたところで倒錯した非日常の詩情に傾く嗜癖があったが、斯様な才幹がここでは十全な活躍の場を与えられなかったように思う 7/10[投票]
★4カルティキ/悪魔の人喰い生物(1959/伊=米)核の脅威(カルティキは放射性生物という設定)には核をもって応じなければならないというタカ派の悲鳴に近い絶叫激語が聞こえてきそうな一斉火炎放射の眩さ(まるで核爆発のよう)に全身総毛立つ [review][投票]
★4パーソナル・ショッパー(2016/仏=独)I'M YOUR GHOST. [review][投票]
★2ケープタウン(2013/仏=南アフリカ)作劇の廃墟と化した第三幕の無残さは目も当てられない。せっかくの現地ロケが、いかにも土地勘のない人が率先したらしい観光PVの仕上がりに。国際色豊かなインチキ南ア訛りのオンパレード(努力すらしないのもいる)。黒人俳優のルックが全然現地人っぽくない。ギャング文化は新大陸のそれと混同してないか。有名な史実をwiki記事で読んで思いつきました程度の短絡的な発想がこのような怠惰な脚本とプリプロに流れ着いた[投票]
★5スプリット(2016/米)I WANT TO BELIEVE [review][投票(3)]
★3マニアック(2012/仏=米)美女の串刺しについて一家言なければ今更POVスラッシャーの更新なんて考えない? ダークネットに出回るキ印の投稿動画の感触をお手本にしたようなディテールの豊贍に期待が高まるものの、妙なメロドラマに拘泥して馬脚を露わす。 幻覚モチーフの変奏はその種のプロファイルリングを斜め読みした形跡が。最後にはオルペウスの死のパロディまで出てくる。[投票]
★4見えない恐怖(1971/英)独自の生命をもって衛星都市の目抜き通りを横行闊歩し始めるカウボーイブーツの星マーク。平凡な消費文化のシンボルが日陰者の怨念を集めて悪尉と化すとき。本筋が単線的なぶん演出家の腕の見せ所が多い映画であるが、手放しで喝采できないのは、障害者をいたぶるのが自分の趣味じゃないから。戦慄が愉悦に直結しない。 [review][投票]
★4襲い狂う呪い(1965/英)これが北米公開時に『バンパイアの惑星』とダブルフィーチャーとか、SFホラーの童年時代をリアルタイムで知ることができなかった者にとっては妙にノスタルジックな気分を掻き立てる。今だったら『DAGON』の前座としてラヴクラフト・ナイトかな。そして寝酒に香山滋でも一杯ひっかけて秘境探検やるには遅く生まれ過ぎ、宇宙へ旅立つには早く生まれ過ぎた我が身の不憫を慰めつつ夢路を辿る [review][投票]
★3愛の新世界(1994/日)劇団員パートはすっごくつまんないから、女王様が映らないシーンは全部カットして、5分ぐらいにまとめてくれてもいいよ。 [review][投票(1)]
★4眠りなき街(1953/米)レールの上の毎日に嫌気がさした男と年々夢が遠のく一方の下積み暮らしに希望を失う女。そんな二人の落着きのない心が再び自分のもとへ戻る日を辛抱強く待つもう一組の男女。そこに悪魔の奸計が働いてお決まりの悲劇を手繰り寄せる。他人事と思えないこの因果。[投票]