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[コメント] キリング・グラウンド(2016/豪)

お馴染みキャンプホラーの舞台を豪州奥地に変えただけのN回目のヴァリエーションのような始まりだが、もちろん一筋縄でいくようなら、こんなに口コミで評判が広まるはずがない。糢糊とした不安の残渣から最も残忍な加虐心を掻き立ててやまない激情の鬱勃まで、抜き身の感情のフルコースを供されたような満腹感(どっとした疲れを伴う)ただちに目に見える脅威なしにこれだけのテンションを持続させるのはなかなかのものだと思う
濡れ鼠

撮影担当が、16年度ベストホラーの一つの呼び声も高い『デビルズキャンディー』と同じ人だと気づいたのは登録作業の途中だったが、それも納得の出来。 何をフレーム内に収めて何を外すか、どのようなタイミングでどこからanxiogèneのエージェントを登場させるか、サスペンス醸成のための画面構成とカット割り/つなぎの意識が徹底している。頻繁に過去と現在を往復する時間配分は下手すると作劇の綻びを助長する可能性もあるが、先日同じようなアプローチを採用したインドリダソンの新作を読んでいたこともあり、その可能性を考える上で興味深かった。異なる時系列の出来事の掛け合いで高まるのは、むしろ、取り返しのつかない過去の悲劇性であり、それは本作でも志向されている。最近流行りの<劇場型>暴力ポルノの使い方は少々難がある。描写がくどいのか、演技指導がなっていないのか、茶番じみた印象から逃れられず幾分テンションが落ちるのが惜しい(というかliveleak全盛の時代に映画演出は実物の強度に太刀打ちできないと思う。戦場映画も同様)。これは、また、段取りの問題でもあり、感情面での布石が十分でなかったということなのだろう。いっそのこと処刑シーンはまるごと省いて、林のなかの死体発見のカットのインパクトに任せたほうが賢明だったかもしれない。

7.5/10

(評価:★4)

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